7:ニューなぎさ屋

 こちらの店舗は、クリーニング屋さんです。前を通ると、時々ピーピーと鳥の鳴き声が聞こえます。夏に伺った時に、そのことを店主に話すと、鳥籠に入ったインコを見せてくれました。顔が桃色で体は黄緑、慣れてくると鮮やかな青のお尻を見せてくれます。とても可愛らしいインコです。

 そして、今回はセンターの洋画の創作室を利用されている、テラモトさんとフジさんの話をします。お二人は油絵をメインに描かれていて、何十年も前からこのセンターを利用されています。
 特にテラモトさんは、週に何回もお会いすることも多く、朝から夕方まで熱心に黙々と描かれています。テラモトさんの絵画の特徴でおもしろいと思ったところは、絵の背景に明るいオレンジを一層引いているところです。展示させていただいた作品も、いくつか背景がそのようになっています。ご自身の描き方が確立されているような印象です。また、描くのがとても早く多作で、いつ会っても新しい絵を描かれています。そのことをご本人に話すと、「家の中が絵だらけで大変、通り道もこんなに狭いんや。」と笑いながら話しておられました。それだけの創作意欲が尽きなく湧き続けている原動力がどこから来ているのか、とても興味深いです。
 また、フジさんに初めて会った時は、ちょうど先ほどのテラモトさんに不要になった絵の描いたキャンバスと木枠を渡しているところでした。私が「その絵何で要らないんですか?」と聞くと、「え〜こんなん要らんやろ〜。」と。テラモトさんには私から要らない別のキャンバスをお渡しして、フジさんの絵を頂き、展示することにしました。(先日、協働制作に来た高校生が、このフジさんの絵がおもしろいと話してくれました。)こんな風に絵の交換も日常的にされていて、とても良い場所だなと思いました。フジさんは、お会いする時はいつもセンターのモチーフ棚にあるものや、ご自身で持ってきたものを組み合わせて、静物画を描いておられました。赤い服を来た人形をメインに描かれていていた絵も、途中だと仰っていましたがとても素晴らしく、その隣で組まれたモチーフも何だか不思議な空間で、モチーフの組み方にもフジさんの魅力がその場所に詰まっていると思いました。