こちらの御殿山電機さんは、町の電機屋さんです。こんなお店が近所にあったら、電化製品が苦手な私でも、気軽に相談できるのになと思いながら、御殿山に来る度に前を通っていました。
そんなアナログ寄りな私ですが、今回はオンラインでの協働制作を選択しました。3月〜6月までは、新型コロナウイルスの影響で御殿山に利用者の方々が来ることも難しく、もしかしたら協働制作もセンター内では出来ないかもしれないと思ったからです。全国各地どこからでも、zoomを繫いでワークショップに参加してもらえたらと参加者を募りました。
その結果、枚方市の牧野高校の文芸部の4名、枚方市でイラストレーターとして活動されているタカオさん、新潟を拠点に建築家として活動されているホンマさんが参加してくださることになりました。9月から展覧会直前までzoomでミーティングをしたり、個別に連絡を取り合ったりしながら、高校生とタカオさんはコマ送りアニメーションを、ホンマさんとは空間の構成を考えてくださいました。
ここではその中から、タカオさんのお話をさせていただきます。普段は動物や人物をとても可愛らしいタッチで描かれているイラストレーターさんで、zoomミーティングの時にいつも温かく、画面越しから私と高校生のやり取りをにこやかに見守ってくださっていた印象があります。
タカオさんが制作してくださった今回のアニメーションは、子ども達から集まったアイデアの中から「空まで飛べるシーソー」というものを選んでいただいて、そのテーマをもとに私と協働制作しました。そして、出来るだけ少ない線で抽象的なものにしていただきました。
タカオさんも私もアニメーションを作ったことがなかったので、試行錯誤の末、私が青森で拾った流木をシーソーに見立て、そこを這うスライムのようなもの、それがロッククライミングのように石の上も這って行くという内容にしました。最終的には「空まで飛べるシーソー」になったのかは分かりませんが、そのアイデアをスタートに、2人で出来る方法を提案し合い、アイデアを変化させながら形にしていく過程は、相手が言葉(ほぼ文字)をどう解釈しているのかを絵で確認していくという、日常の会話とはまた違った形で、お互いの思考を知ろうとする行為となりました。