①地下一階絵画
「記憶の再構築」
アクリル絵具・旧九段会館の遺物の破片、キャンバス・木製パネル/1,313×4,917mm
九段会館テラス・ビジネスエアポート九段下(地下1階食堂兼執務スペース)に恒久設置。
九段下を軽やかに今も行き交う人々、お堀の周辺に舞い降りる鳥や蝶、ゆらゆらと浮遊する水草。 旧九段会館の重厚な歴史と共に、人と動植物が共生する姿を織り交ぜながら、消えることのない記憶と未来への予感を描きとめる。旧九段会館の遺物であるステンドガラスは、緑や青、黄色のパターンが美しく、スクラッチタイルの粒々として 一枚ずつ温かみのある紋様は忘れがたい。それらの記憶は絵具の中へと込められ、現在の九段会館の風景と重なり、 新たな像が浮かび上がる。建築物の持つ多層な歴史を引き継ぎながら、新たな出発へと繋がる窓には、まだ見ぬ豊かな景色が映し出されている。
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②一階彫刻
「断片のコレクション」
旧九段会館の遺物の破片・アクリル絵具・粘土、板・木製パネル/1,000×800×90mm
九段会館テラス・ビジネスエアポート九段下(1階廊下)に恒久設置。
ゆらゆらと波打つタイルや半分に割れた碇のように見える装飾物。キラキラと白く光る1番星に向かってゆっくりと進む 赤と緑の大きな船。桟橋で船を眺めているかのような石の造形。それらの遺物は、まるで流れ着いた無人島で拾い集められた破片のようで、想像力を掻き立てられる。用途も分からず、道具にもならないものに惹かれ、破片の一つ一つに思いを巡らせる。それらと戯れるうちに、粘土と合わさり新たな造形として生まれ変わったものもある。並べたり、合体させたり、色を真似して塗ってみたり…忘れかけていた遊び心は、ままごとをするかのように新たな物語を作り出していく。
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九段会館テラス・ビジネスエアポート九段下にて、作品2点が恒久設置。
絵画が設置されている地下1階食堂兼執務スペースは、平日のランチタイム(11:00〜14:00)のみ一般開放。
場所:九段会館テラス・ビジネスエアポート九段下(東京都千代田区九段南1-6-5 九段会館テラス1F・B1F)
※アーティストインタビュー https://www.artplace.co.jp/information/artistinterview_noharamarie/
会場撮影:加藤甫
作品複写:増田好郎
アートディレクション:アートプレイス株式会社